From J
オレはジョシュアだ。
魔のものだ
ある日の夕闇の中で
独りぼっちのジャッカルと出会った。
ジャッカルという名前はオレがつけた。
何故ならばJ の館の住人にするため
髪を伸ばしたのもオレ
人目を欺くため
無垢な人間を破滅にいざなうのが悪魔の役目だとしたら
オレはきっと悪魔なのだろう。
しかし何が正しくて何が間違っているかなんて
一体誰に審判できようか
オレは人を一人、神の残酷な御手から救ったのかもしれない
闇が悪いものだと決めつけたのは誰?
それは神の奸計
オレたちのような闇のものにとって光が眩しすぎるのも
オレたちよりももっと大きな力の謀略
翻弄された闇は地に潜み、静寂の中でじっと現(うつつ)を見続ける
もしも天使が悪魔を誘惑したら?
闇は躊躇うことなく天使を受け入れ地に堕とすだろう
そこには謀りごとなど存在しない
いつまでも醒めることのない悪夢は
本当はとても純粋で優しいはずだから
ジャッカル&ジョシュア
二人は宵宮城の住人ではありません。
将来神父になるべく育てられていた子どもと
森の中で気まぐれに連れ去った悪魔の
独りぼっちどうしが紡ぐ
小さな物語