YHWH
Sep.2012
僕は子供の頃、飾り窓の住人だった。
華やかな世界だったけど、ずっと孤独だった。
最後のお客がラビだった。
翌朝、僕は飾り窓の住人じゃなくなったことを告げられた。
僕を拾ってからずっと御世話してくれてた
マダム(実はちょっと怖い人だった)にさようならって言った。
マダムはちょっと悲しそうに笑って僕を送り出してくれた。
でも、ラビからいっぱいお金貰ったんだって。
ララビは他のお客と違った。
ミルク紅茶をふたつ頼んで、朝までいろんな話を聞かせてくれただけ。
・・・フシギなお客だった。
ラビの元にきて3年ほどのあいだ、まるで王子様みたいに暮らしたんだ。
ラビは僕になにもしない。
それは僕を愛しているからなんだって。