2017/04/16
『イースターエッグ』 (1)

春分の日(2017/3/20)の後の最初の満月(2017/04/11)から数えて
最初の日曜日が今年のイースター






そう、今日(2017/04/16)はイースター
春を祝うお祭りであり、
キリスト教では最も重要な祝日の一つである”復活祭”





ラザロ神父「イースターに関する薀蓄は去年のdiarydiaryで語っていますので割愛。」


↓こちらですよ






ラザロ神父「しかしね、アルカルド神父のことなのだけれども・・・
今思えば去年のイースターも登場が控えめだったし
うさ耳を極端に避けている様子だけど
1年かけて、彼が何かウサギに対して思うところがあるのだと
判ってきました。」




ラザロ神父「今、教会行事としてエッグハントをしているけれど
大丈夫でしょうか」














アルカルド神父「イースターですから子供たちとエッグハントを楽しんでいます」






トリスタン「神父さま、トカゲのタマゴでもいいの?」

アルカルド神父「駄目ですよ、ちゃんと固ゆでにした鶏卵でないと。
模様のついたタマゴを探しましょうね。」




アベル「鳥さんのタマゴを茹でるんだ?」

トリスタン「酷いよね!!」

アルカルド神父「有精卵じゃありませんから中にヒヨコがいることはありませんよ」




トリスタン「でもこれって本当に茹でてあるのかなぁ?」
アベル「本当だ。ほかのとちょっと違うよ」




アルカルド神父「???見せて下さい」




アルカルド神父「本当ですね…少し…持った感じが違います。
これはキッチンに持ち帰っておきましょう。」




トリスタン「神父様が食べるのですか?」

アベル「ヒヨコが生まれるかもしれないのに?」

アルカルド神父「では、温めまておきます。」




トリスタン「わー!親鳥みたい!!」

アベル「神父さま、親鳥みたい!!」

アルカルド神父(早く終わらないかな・・・疲れた)










アルカルド神父「生卵が混ざっていたのか・・・」





アルカルド神父「子供たちがいやなことを言うから
食べるわけにもいかないし
この美しい装飾を見ていると手元に置いておきたくなりました」





アルカルド神父「エッグアートの初期準備に
卵の中から黄味を抜く技法があったような・・・
医師免許を持ってるラザロ神父なら器用なはずだから
得意でしょう…あとでやってもらおう」(誤)





アルカルド神父「・・・・・・・・・・・・・・・。」




アルカルド神父「・・・久々に幼少の時のことを思い出しました。」







幼少のゴードン「ウサギって卵から生まれるんだよ」

幼少のアルカルド「え〜〜ウサギは”ほにゅうるい”だよ、
タマゴからは生まれないよ」




幼少のゴードン「だって証拠に一羽、二羽、って数えるでしょ」 

幼少のアルカルド「そういえば・・・」




幼少のゴードン「あの耳の長いウサギの姿は仮の姿で
本当は羽根の生えた生き物なんだよ、きっと」




幼少のアルカルド「羽の生えた生き物・・・
(だからピョンピョン飛ぶのか・・・見えない羽根で・・・)」




幼少のアルカルド「・・・てことはイースターの卵の中には天使様が宿っているのかな」

幼少のゴードン「ウサギだよ」




幼少のアルカルド「天使様がいいな」

幼少のゴードン「羽根の生えたウサギだってば」




幼少のアルカルド「羽根の生えたウサギかぁ…
(それはきっと天使様だよ)」





そんなことを言っていた兄も生物学を学ぶようになった。
あれは全寮制の神学校から実家に戻った時の事。




アルカルド「兄上、イースターエッグの中には何がいると思いますか」
ゴードン「ウサギだよ」




アルカルド「くすっ・・・生物学を学ぶ兄上がそんなことを仰るなんて」




ゴードン「イースターエッグはウサギが生んだって伝承があるだろう?
ウサギが生んだならウサギが孵るはずだよ」




アルカルド「そんなこと真顔で言わないで下さい」

ゴードン「だってイースターエッグは鶏の卵だって言い切れる?」

アルカルド「そもそもウサギは卵を産みませんよ」




ゴードン先生「絶対にそうだとは言い切れないだろう」

アルカルド「では、イースターエッグはウサギが産んだ卵で・・・
その卵からはウサギが生まれる・・・か。
生物学を学ぶ兄上がそう仰るのは些か笑えるますけど・・・」




アルカルド(実際、哺乳類が卵を産むなんてあり得ない・・・
しかし伝承があるとなると、何らかの根拠があるはずだ・・・
なんて不気味な生き物なんだ・・・)

ゴードン「まだまだ未知の生き物は多い。
雌雄同体のウナギの生体さえも明らかでないのだから
ウサギだって昔はげっ歯目だと言われていたのに
現代ではウサギ目に分類されている。
もしかしたら、いつかは鳥類に分類されるかもしれないよ」





アルカルド「だとしたらウサギはカモノハシとか、そういう類いの
ややこしいもの・・・なのですか」

ゴードン「かもしれないよ。(ありえないけどね)」




ゴードン「ウサギだって皆が哺乳類と思い込んでいるだけで
実は神様の奇蹟ということもあるのでは?
聖書では多い話だろう」

アルカルド^「・・・・・確かに…でもウサギは聖書には殆ど登場していません」




ゴードン「アーカード、柔軟な考え方は重要だよ」
アルカルド(考え方次第でウサギが卵から生まれるとは…思えませんが!)



〜哺乳類としてのウサギの定義が揺らぐ〜






アルカルド「イースターは復活祭・・・
タマゴは生命誕生の象徴であり・・・
多産なウサギは生命の復活と繁栄を祝うイースターの
シンボルとなっている・・・・けれど

百万歩譲ってウサギが卵を産んだとしましょう…」




アルカルド「では何故・・・イースターエッグを固ゆでにするのでしょう」





アルカルド神父「復活しようがないじゃないですか・・・
いや生卵からウサギが生まれるのもおかしい・・・話ですよね…
それがシンボルなんて

しかも誰がシンボルにしたんですか…
少なくとも聖書には記載はない
復活祭には直接、関係がないのに
どうして、いつから、そうなったんだ…」



〜イースターのシンボルとしてのウサギの定義も揺らぐ〜



長い年月をかけて、真面目すぎるアルカルド神父の中で
ウサギは”タマゴから生まれると言われる意味不明の生き物であるにも関わらず、
聖書には殆ど登場しないにも関わらず、
キリスト教の重要な祝日の”シンボル”であることが
耐え難いほどに恐ろしいものとなっていった。







アルカルド神父「そういっていた兄も現在は生物学の教師ですが…(くすっ)」





アルカルド神父「生徒たちにウサギが卵から生まれなんて
教えてはいないでしょうね…(私にはそう教えてくれましたけど)」





アルカルド神父「赤い卵はマグダラのマリアがイエスが召された時に
ローマ皇帝に差し出したと言われています。」





アルカルド神父「その時点では死の象徴だったはず・・・。
しかしイエスは復活した。
赤い卵は復活のシンボルとなりました。」





アルカルド神父「卵の赤はイエスの血。
イエスの血によって世界が救われ、イエスの血によって人類が再生することを
意味しています・・・”復活”の意味です」





アルカルド神父「赤い卵・・・・・・・・・か
これが今手元にあるのはラッキーな事なのでしょうか」





ラザロ神父「イエスの復活は”赤い卵”同様に”あり得ない事実”
の比喩という説もありますね。」

アルカルド神父「そのあり得ない卵と同じ色をしたものが今手元にあるんですよ
しかも、あるはずのない生卵が!!」

ラザロ神父「アリエナイ話ですね…くすっ」



アルカルド神父「・・・必要以上に不穏な気持ちになるのは何故でしょうか」

ラザロ神父「気にすることはありませんよ、ただの卵でしょう。
万一、妙なものが出てきたら私が退治してあげるから。ははは」