2016/06/03
アビシャグの心臓
episode8 その顛末






ベリアール「・・・・・・これがその石か・・・・。」




ベリアール「アビシャグ、聞こえているのなら一言、告げたいことがある」




ベリアール「オマエは私とは無関係。私の前に二度と現れないで戴きたい」




ベリアール「その名も、あらゆる事実も、私の記憶から抹消したいぐらいだ」




ベリアール「それが叶わぬのなら、貴女に消えてもらいましょう。
ソロモンに逢わせてやる気もないよ。
さよなら、アビシャグ、地獄に堕ちるがいい!!」




ラザロ神父(・・・・・もともと地獄の住人なんだけどね・・・・・)





ガシャン!!!








ラザロ神父「・・・って、ちょっと!!
聖堂の十字架にアビシャグの心臓ともいえる石を投げつけるなんて
なんて手荒な・・・・割れてしまったじゃないか・・・」

ベリアール「・・・・・・・・・無に還してやりました」

ラザロ神父「・・・・・アビシャグは紛いなりにも貴方の・・・」

ベリアール「それ以上言ったら魂を抜き取りますよ」












アルカルド神父「何かありましたか?今の音は・・・・??」



もくもくもくもく
アルカルド神父「・・・・・・・・・・?!」




アルカルド神父「〜〜〜〜〜〜〜!!」




ジャーン!!




アルカルド神父「ラ、ラ、ラザロ神父〜〜〜〜〜!!」




アルカルド神父「〜〜〜〜〜あなたという人は!!やはり悪魔召喚を!!」

ラザロ神父「私じゃないよ、あの石に奇蹟が起きただけじゃないか」




アルカルド神父「だいたいどうして生き物が生まれるのです!!」

ラザロ神父「私にも判りませんね・・・ただ・・・塔のタロットの預言通り
・・・マリアの象徴・受胎告知・落雷による処女懐妊・・・揃ったよ」




ラザロ神父「ただ・・・・・マリアではなく地獄の妃・・・が生み出した者らしいけどね」

アルカルド神父「やっぱり悪魔じゃないですか!!祓ったらどうです?!
祓えないってことはやはりあなたが召喚したのでしょう!!」




ラザロ神父「だからねぇ・・・・もう一度最初から話そうか?
(episode1から読み直したまえ)」




アルカルド神父「あなたは誰です?」

ラザロ神父「礼拝に訪れた方です。」

ベリアール「あの瓶を聖堂の十字架に投げつけてやりました。」




アルカルド神父「・・・・・・・一体、何が・・・・・」





大猫(地獄の王の仮の姿)「おお・・・・・生まれたか。アビシャグの血を継ぐ息子よ」




ラザロ神父「アビシャグの息子?貴方の息子?」

大猫「どちらでもないが、これはアビシャグの意志で存在したのだ。」

ラザロ神父(魔の者のことだ、理解し得なくてもいいのだろう・・・)




大猫「アビシャグは・・・あなた方を苦しめないで済む、
そう、考えたのではないかな、ベリアール。
地獄の王に即位することはカインもあなたも望まなかった。
最後にあなた方のために何かしたかったのでは・・・」

ベリアール「・・・・・・・・・・・・・余計なお世話ですね」




アルカルド神父「おお・・・・神よ・・・・また悪魔が現れた・・・・」

現況を把握できていないヒト




大猫「おまえの名まえはメテオライトだ。あちらでは人の姿になれるぞ」

メテオライト「われはメテオライト・・・・」

大猫「オマエはアビシャグの血を継ぐものだ。後継に相応しいかもしれん」

メテオライト「なんの後継だ?」




大猫「地獄の王だ」
ベリアール「・・・・・・・・・・・・・・(ほっ)」




ベリアール「粉々に砕いてやりたかったのに・・・・猫の姿で生まれるなんて」
↑冷酷非道なベリアールは実は小動物好き




大猫「さあ、帰ろう(地獄に)」

メテオライト「まだ登場したばかりだぞ」




ラザロ神父「教会でわざわざ生まれるとは・・・・
アビシャグという人物はとことん”光”を好む女性なのだね」




ラザロ神父「ところで魔の物がどうして教会の聖堂で平気なのですか?
(半身が天使の)ベリアールは判るとして・・・」

大猫「だからこちらの世界では猫の姿をしている。
本来の姿だとこういう自由は利かないからな」

ラザロ神父「なるほど」

大猫「それでは失礼する」




アルカルド神父「あ・・・・・・・消えた」






アルカルド神父「・・・・・・・・・・・・。」
ラザロ神父「・・・・・・・・・・・・・・・。」
ベリアール「・・・・・・・・・・・・・・・。」








アルカルド神父は訳が判らないまま・・・

ベリアールはカインと共に地獄の王位継承を免れたものの
アビシャグの意志を生かしてしまった無念が残ったまま・・・

全てを知っているラザロ神父だけがほくそ笑んでいた。





今回、秘密を垣間見てしまったベリアールの双影カインは
結局真実を知らされることはなかったが
この兄弟の因縁と確執の物語は今後も続くだろう・・・

今一番心配なのは
アルカルド神父がノイローゼにならないだろうか、ということだが。













長らくお読みいただき有難うございました
『アビシャグの心臓』 完結です



彼らのものがたりはまだまだ続きます