2016/05/20
アビシャグの心臓
episode7 塔のタロットの考察






ラザロ神父「初めまして。
悪魔であるあなたが折り入って悪魔祓いの私に話があるなんて
どうしたのですか?」




ベリアール「貴方のことですから、もう私の正体はお判りでしょうから・・・
今すぐ滅する相手ではないこともお判りでしょう。」




ラザロ神父「確かに半身が天使だとすると、我々としては」

ベリアール「・・・・・どこでその情報を?」




ラザロ神父「あなたとカインが双子の兄弟で悪魔であることは判っています。
あの塔に住む悪魔について、仕事柄、調べさせてもらったよ。
しかし、あなたとカインはここに入って来れる時点で完全なる悪魔ではない。
(あとは想像の範囲だったけど、どうやら本当だったようだね)」




ベリアール「私は悪魔です。そうやって生きてきた。それに変わりはない・・・
本題に入りましょう、アビシャグの心臓が此処にあるのですか?」

ラザロ神父「アビシャグの心臓??雅歌のアビシャグ?」

ベリアール「・・・カインが何かそのような事を言っていましたが・・・
私には聖書の内容など関係がない。」




ベリアール「地獄の王が探している。意志を持った石・・・が
突然無くなったのです。」

ラザロ神父「ああ・・・・あの石のことかもしれないね。
不審な石を預かっているよ。
一度盗まれたけど、ここへ戻ってきた。
まるで自らここへ帰ることを望んだかのように、ね。
とても美しい血の滴る石のことじゃないかな」

ベリアール「・・・・・・やはりここに」




ベリアール「(くす・・・・・いい気味だ。
先代地獄の王の妃の意志を持った石が教会に保管されている・・・・
さぞ苦しんでいることだろう
しかし何故わざわざここに戻ろうとしたのだろうか?
だが、返してもらわねば。最終的に手を下すのは私。)

あれは魔の物です。地獄の王後継に際し必要なのだそうです。
お返し下さいませんか。」





ラザロ神父「(地獄の王後継・・・か。繋がったぞ)
まずその前に塔のタロットの話をしようではないか」

ベリアール「塔のタロット?」




ラザロ神父「その石があらわれた頃から立て続けに引いたカードがあるのです。
そう、塔のカード。タロットの経験は?」

ベリアール「あります。不穏なカードですね。」




ラザロ神父「一般的な解釈での”塔”の正位置での意味は
崩壊・悲劇・惨劇・記憶喪失・被害妄想・トラウマ・メンタルの破綻など
逆位置での意味は
緊迫・誤解・不幸・無念・屈辱・・・・・など

どれもいい意味はない、困ったカードだ。
今回の一連の出来事とカードの絵を解釈していくと・・・・」







★山頂に建てられた塔・・・これはこの教会(山頂にある)かもしれないし
件の石が降ってきたのは、あの城にある塔の最上階だった。
この時点で今回の一件と全く関係がないとは言えないだろう?

★ただ、この塔は断崖絶壁ギリギリの状態で建っている。
とても不安定で落ち着かない状態だ。

★私は、塔はあるもののシンボル・・・受胎告知の象徴だと思っている。

★塔から堕ちる2人・・・これは恐らくあなたがた兄弟2人。
生まれたものの何らかの事情により塔より堕とされた。要するに捨てられた。
それはあなたがたの意思の与り知らぬ出来事。
(あなたがたは地獄の王の系譜・・・だとしたら)
それにより後継の路は断たれたはずだった。

しかし赤いマントのほうはただ墜落している・・・ (何も知らないでいる)
片方は墜落しているのに王冠を落としてはいない・・・ (王のことを知っている)

片方は秘密を知ってしまい、もう片方は秘密を知らない。

王冠はプライドともとれる。
”悪魔”としてのあなたのプライド・・・
(半身天使を認めたくないというプライドだろうね)


★火事・・・これは、まさに”お家騒動”だね。
地獄の王後継話にあなた方が巻き込まれている様子に思える。

★落雷・・・これは新しい生命の兆し
難攻不落の処女性・・・何らかのタイミングが揃った時に
神縁が結ばれ、新たな生命が誕生するというわけだ。

それが、直系なのかもしれない。

”後継にあの石が必要”だと言っただろう?
直系が現れれば、あなたの憂いごとは晴れるだろう。






ラザロ神父「 一般的には、この落雷は神による一撃。
雲があるのに雨が降っていないところの落雷、これは自然災害ではない。
自然災害ではないから逃れる術があったのに受けてしまった・・・
そういう風に捉えるらしいけど
その点でも、逃れられない運命を背負ったあなた方に当てはまると思うんだよね。





ラザロ神父「今、あなたは逃げ場を失っている。




ラザロ神父「そしてカードの内容じゃないけど現れた「石」・「意志」・・・・・そして「遺志」・・・・
あの烏帽子男の言葉遊びのように思えるがあながち無関係とも言えまい。

アビシャグの遺志がそこにあるのだとしたら。
何か思い残したことがあるのかもしれない。
あの石は、あなたの憂いごとを払拭するためにやってきたのかもしれないよ。

ああ、すべて私独自の解釈だよ。
あの石の名まえがアビシャグだったら、という仮定の上でね。」






ベリアール「地獄の先代妃アビシャグの恋の相手は光の王でした」

ラザロ神父「(ということはあなたとカインはそのハーフブリード。
ようやく半身天使の確証を得たよ)
・・・気がかりは子ども達の事
・・・・地獄の王の後継について」

ベリアール「意志があるとしたらその石が何かを成す可能性が?」

ラザロ神父「あるだろうね。
そのために人間界に、というかここ教会にやってきたのじゃないかと思うんだ」




ラザロ神父「そしてあの血の滴り・・・・生命力があるのだとしたら
アビシャグの名を持つ石が媒体となり、生命が目覚めることも考えられる。
受胎告知を意味するのカードが出てるのだからね。
神秘とはそういうものだよ。」




ベリアール「神縁も神秘も・・・私には関係ない。石を引き渡してもらいましょう」




ラザロ神父「いいでしょう。
聖堂にあります。」

ベリアール「・・・・・・・・・・・・鬼・・・・・」

ラザロ神父「悪魔祓い師ですから」












〜to be continued〜