2015/10/10
地獄の王位継承者




地獄の王「呼び出してすまないね」

ベリアール「・・・いいえ」





地獄の王(この者が・・・兄の奥方の・・・知られざる双子の息子の一人・・・?
白い翼を持つ悪魔・・・か)





地獄の王「ベリアールと言いましたね」

ベリアール「ええ」





ベリアール「・・・・・・・・・・・・。」

地獄の王「・・・・・・・・・・・・・・。」





地獄の王(・・・・静かな人だな・・・話しにくい・・・)
「私が誰かはご存じですね」





ベリアール「ええ、地獄の王。」




地獄の王「後継者を探しています」





ベリアール「それで私に何か?」

地獄の王「次の地獄の王に貴方を指名したいと思っているのですが」





ベリアール「・・・・・・。」





ベリアール「500年前、先代地獄の王が何も知らなければ
白い翼を持つ私は殺され
黒い翼のカインが王位を継いでいた、違いますか?」





地獄の王「・・・・・・・・・・恐らくは。」





ベリアール「私の存在価値はその程度のもの。」





ベリアール「たまたま先代王が真実を知っていただけ。
何故、王が2人を幽閉したのか、理由はご存じでしょう。
我々は相応しくない。特に白い翼の私は。」





ベリアール「先代王のご判断を覆すようなお話は
申し訳ありませんが、受け入れられません。」





地獄の王「命令だったら従いますか」





ベリアール「・・・・権力という暴力を振るいますか。ならば仕方がないでしょう。
しかし、不本意ながら即位したところで、まともに統治はいたしますまい。」





ベリアール「私は貴方が築き上げてきたものを簡単に壊してしまうでしょう」

地獄の王「・・・・・・・・・・。」





ベリアール「それ以前に反乱が起きるでしょう。光は地獄が敵対するもの。
そのような流れを汲む者が地獄を支配するなどと許されるはずがない。」





地獄の王「では黒い翼の弟のほうに打診しても?」





ベリアール「それは構いませんが、翼が黒いというだけで本質は同じ”異端”。
そして、カインは何も知りませんゆえ、ご配慮賜りたく。」





地獄の王「黒い翼の方は出自を知らぬと?」

ベリアール「ええ。知る必要はないと判断しました。」

地獄の王「私が知らせたても・・・よいか?」





ベリアール「私は貴方に意見できる立場ではない。
しかし
我々双影とは”何の繋がりもない”貴方がカインに
そのような重要事項を告知する意味がない・・・とは思いますけど。

ああ、一応繋がりはありましたか、
私にとっては”見ず知らずの男”・・・の弟君、”義理の叔父様”」



「・・・・・・・・・・・・母君の事は・・・。」





「光りと闇、2人の王の為に周囲を欺き通し、我が子である双影を闇に葬ろうとした
”見ず知らずの女”、ですよ。私にとっては。」





地獄の王「そう・・・ですか・・・・・判りました。私からお伝えするのは控えます。」





「他にご用件がなければ失礼します。」