2015/01/16
ごちそう



アルフレッド「ディーノ、今日は何の日か知ってるか?」
アルフレディーノ「ああ、我々がまた職を失った日ですよ。」




アルフレッド「・・・・いや、そうなんだけどな。」
アルフレディーノ「バイトは続きませんね。」




アルフレッド「我々のような身の上のものが契約社員になるほうが難しいだろう。」
アルフレディーノ「そうですね。しかし某社長からの仕事も久しく無いし。」




アルフレッド「最後にオファーがきたのはあの人魚事件の時だったな。」
アルフレディーノ「ええ、あの時、断らざるを得ない状況で、それ以来ですよ。」
アルフレッド「その後、社長は表の会社で忙しくなったからな・・・。」



*人魚事件=diarydiary 2012/05『呪いの魚』参照*




アルフレッド「なんだかオマエが可哀そうになってきたぞ。」

アルフレディーノ「どうして私だけですか?
相棒になって以来ずっと一緒に貧乏クジ引いてきたし、今回も一緒に無職になったのに。」

アルフレッド「俺は華麗なる端役に徹しているがオマエは半漁人になったり
龍宮城に監禁されたり・・・描いた絵が願わぬ形で現実になったり・・・不幸なオマケ付だったもんな。」




アルフレディーノ「次はあなたの番ですよ、アル。」




アルフレッド「(不覚にもこの不幸で根暗で貧乏な友を
笑わせてやりたいと思った。)ディーノ・・・」

アルフレディーノ「なんですか?」




アルフレッド「本当に今日、何の日か忘れたのか?」




アルフレディーノ「???さあ?」
アルフレッド「じゃ、部屋に戻ったら楽しみにしていろ。」
アルフレディーノ「????」



















じゃーん!!





アルフレディーノ「なんですかこれは?」
アルフレッド「俺のおごりだ。」
アルフレディーノ「こんな高価なものを・・・。」(←。)




アルフレディーノ「それに一人分しかないじゃありませんか。」
アルフレッド「今日はディーノが食べてくれ。」




アルフレディーノ「こんなことしてもらう云われがありません。」
アルフレッド「・・・・・・たまにはいいじゃないか」
アルフレディーノ「しかし何故・・・。」
アルフレッド「いらなかったら俺が食うぞ!!」
アルフレディーノ「いつも通り半分ずつにしませんか。」
アルフレッド「今日はダメだ。」




アルフレディーノ「・・・・・でも・・・・・。」




アルフレディーノ「教えて下さい。今日は一体何の日なんです?」
アルフレッド「え・・・・あ・・・・」




アルフレッド「ハッピーバースデー、ディーノ。」
アルフレディーノ「え!!!」




アルフレディーノ「・・・・すっかり忘れていました。」
アルフレッド「そのようだな。」
アルフレディーノ「私は、また年をとってしまったのですね・・・・はぁ」
アルフレッド「(笑ってはくれないんだな。まぁ、いいか。)」




アルフレディーノ「アルは本当はいい人だったのですね。」

アルフレッド「悪人だが友人は大事にするぞ。」

アルフレディーノ「何年も一緒に仕事していて
バースデーなど気にかけてくれたのは初めてじゃないですか。」

アルフレッド「そ、そのとおり。でも、次は”俺の番”らしいから。」




アルフレディーノ「アル、有難う。でも私は貴方のバースデーを知りません。」
アルフレッド「べつにいいけどな。早く食え!目の毒だから。」
アルフレディーノ「いただきます。」