2015/01/09
魔王謁見




カイン「魔界の城から離れてしばらくになるが・・・
そもそも何故私は人間界へ降りたのだろう。」





カイン「ああ、そうだ。
闇の大魔王から人間界の魂を管理する任務を与えられ
従者として死神(クロウ)を伴い、やってきたのだったな。
何百年前のことだったかすでに思い出せない。」





カイン「魔界にずっと居れば魔界の常識しか知らず
何にも心乱されることもなかったはずなのに。」





カイン「ここか。魔王の住まう館は。(普通の古びた屋敷じゃないか)」





J「見慣れない顔だ。誰だ?」





カイン「ああ・・・下界の城から一時、戻っている。怪しいものではない。」





J「下界の城?ジュリアスのいる?」

カイン「???そんな名前は知らないな。」

J「いや、今は”マーロン”と名乗っているが。
・・・・館の者に用事か?」





カイン「魔王様に謁見ねがいたい。」





J「・・・・そうだったな、ご主人様は魔王になられたのだったな。」

カイン(魔界の魔王も新米か?)





J「この館は静寂に護られていたのに」

カイン「それは申し訳ない((ヘンな奴だな・・・。)」





カイン「とりあえず魔王様と話をしなければ。
”魔界返し”のことや、私が”悪魔”であることについての疑問などを。
城の魔王(サハル)とも話したが、魔界の現況がよくわかっておらん様子だし。
自分で確かめたほうが確実だ。」






J「私に用事か?」

カイン「・・・・・・。」





カイン「魔王様・・・でいらっしゃいますか」

J「不本意ながら、いかにも。





カイン(・・・思っていた”魔王”のイメージと違うな・・・)

J「間違っても跪いたりしないように。不愉快なので。其方は?」

カイン「下界で人間の魂の管理を任されている者のうちの一人、悪魔カインです。」





カイン「魔王様とお話させていただきたい。」

J「入りなさい。」















J「話とは何かな?」





カイン「私が”魔界返しの刑”に遭うとの噂が流れております。その真否を伺いたく。」






J「”魔界返し”??」
カイン「人間界での堕落を指摘されております。」
J「堕落?人間界?」
カイン「・・・・・私は魔王サハルの傘下の者です。」
J「サハル?」
カイン(まるで何も通じない。・・・そこまでド素人か?)




J「私は一介のヴァンパイアだった。
この館からは出たこともなく、他は興味がない。
なのに”魔王”だなんて言われて正直、迷惑しているのだ
静寂を乱されるのは御免だ。」

カイン(自分の話・・・?相談者は私だぞ。)

J「リストには名前があったかもしれんが、執行命令はない。
で、何をどうしたいのだ?」





カイン「(希望を聞いてくれると?魔王が?)えっと・・・
・・・・・・・・・・教会に通いたい。」





J「・・・・・・・教会だと?」

カイン「これまで何百年にも及んで人の命を取り扱ってきて
いろいろ思うところがあり・・・・悔い改めたい。」

J「貴方は何者なのですか?」





カイン「上級悪魔・・・(になったばかりの)カインです。」

J「悪魔だろうが?」

カイン「・・・・・・そのとおり。
この考えが原因で刑罰が囁かれております。」





J「私はヴァンパイアだ。」
カイン「魔王様はヴァンパイアかもしれない、が、私は・・・」





J「だから、悪魔・・・・だろうが?」





カイン「・・・・・・悪魔が・・・教会へ通ってはいけませんか?」






J「・・・・・・・・・・・・。」





カイン「(この際・・・断言してしまおう)・・・通います・・・・・。」





J「もってのほか・・・だ。
貴方の今後一切の私への謁見依頼は承諾できぬ。
そのような恐ろしい話を聞かされたくない。」

カイン「こちらの館へ伺うのは今日限り・・・ということですか?」

J「ああ、そうしてもらいたい。」





J「私に命令権があるのならば、今後一切の魔界入りを禁ずる。」

カイン「・・・・・私の城はこちらにあります。
そして、悪魔の本分を忘れ堕落した為”魔界返し”の刑の噂が出ている件については。」

J「危険思想の持ち主に魔界をうろつかれては困る。
その刑罰についても許可できない。」





J「もう一度言う。今後一切の魔界入りを禁ずる。」










カイン「もう魔界の城へは戻れない・・・か。
ということは刑罰はあのヴァンパイア魔王がもみ消してくれると言うわけか。
さすがに未だ誰も謁見した事のない闇の大魔王様とは話せそうもないし・・・。
”魔界返し”は回避できたと思っていいのだな。」





ベリアール「わざわざ上級になる意味もなかったですね。」

カイン「・・・・・・結果的には・・・・。」

ベリアール「それに素行が悪いとまたリストにあがりますよ。」

カイン「・・・・・でも魔界は受け入れ拒否だ・・・・。」





ベリアール「”魔界返し”さえも拒まれるとは。大罪人扱いだねぇ。」

カイン「そのようだ。」

ベリアール「追放劇とは・・・その”カイン”の名にふさわしい。」

カイン「聖書でも読んだのか?」

ベリアール「まさか。」





カイン「ヴァンパイアから見ても教会は怖い場所なのだな。
かなり動揺していたように見えた。」

ベリアール「あたりまえでしょう。」





カイン(私だって怖い。)















/