2012/08/28
従者の確執

エルセロム
「皆さんお久しぶりです。
魔界からやってきた剣士であり
魔王様の従者であるエルセロムだ。
魔王様に仕えながらヘラクレスカンパニーの下で
門番の仕事をしている。」
エルセロム
「しかし、なんなんだ。あのガーゴイルは。
突然魔界から召喚された新参者のくせに
いきなり魔王の座に就くとは納得がいかない。」
エルセロム
「初対面の時は、それはそれは紳士ないい奴だと
思ったが、王となるとワケが違う。

急にノワール社長の代わりになるはずは
有り得ない。少なくとも私の心情的には。

(ノワール社長=魔王=私のご主人様=ラヴ)」
エルセロム
「ああ、いいところにやってきたな。」
エルセロム
「私は歴代魔王に仕えてきた身。
魔界からの使者としてここに現れた者だ。」

サハル
「ああ、エルセロムさんですね。お久しぶりです。
魔界時代にはお逢いしませんでしたね。」
エルセロム
「そしてご主人様・・・ノワール社長が魔王となり
ご主人様にお仕えすることになって
なんと幸せだったことか。」

サハル
「存じ上げておりますよ。」
(ご主人様の名前を口に出せるなんて・・・
勇気あるな・・・)
エルセロム
「しかし何の因果かご主人様はただの
人間となり、代わりに貴方が魔王となった。」

サハル
(もともと普通の人間でいらっしゃいますが・・・)
「そのとおりですね。」
サハル
「・・・・・全て存じ上げております。
事の経緯も。
貴方が私を疎ましく思ってらっしゃることも。」

エルセロム
(イラッ・・・)
エルセロム
「・・・・・・何でもお見通しなのか?
何でも知っているのか?それとも知ったかぶりか?!
それでは会話が成立も発展もしないではないか。
私の話をききたくないのか?ならば去れ。」

サハル
「目からウロコの意見だ。以後気をつけるよ。
話を続けてくれたまえ。」
エルセロム
「貴方にも足りないものがあるのだな。
安心したぞ。
ああ、私の態度がタメなのは、
まだ私が貴方を主とは認めていないからだ。
失礼は許してほしい。」

サハル
「失礼などと・・・・。」

エルセロム
「本来ならば制裁ものだ。」
エルセロム
「・・・・・・で・・・・・・・・・私の主は誰です?」
サハル
「・・・・・・・私とは1度挨拶を交わしたきり
ここでお逢いしたのが2度目。魔王とはいえども
主と呼んでもらえるほどの間柄ではない。」

エルセロム
「ご主人様は・・・・・あの日あの時、
人間として受け入れがたい現実をものともせず、
初対面の私を従者と認めてくださったのだ。
なんと潔かったことか。漢の中の漢だ!!」

サハル
「・・・・・・では私も認めたほうがいいのか?」

エルセロム
「勘違いするな。
私は・・・・ノワール様に仕えている。
永遠の忠誠を誓ったのだ。貴方にではない。
まさか魔王の座を生きながら退くことがあろうとは。

いや・・・恐らくあのお方が王であろうとなかろうと
私は跪いたであろう。」
サハル
「話はよく判る。
私もご主人様の部下であり、下僕であるのだから。」


サハル
「『決定優先』だよ。
魔王様からの命令で私は後を引き継いだだけだ。
新魔王になったからといって
ご主人様の下僕であることには変わりはない。
永遠にね。」


エルセロム
「で、では・・・・もう一度、訊く・・・・・・・。
私の主は誰です???

これまでノワール様の従者であったが
それは彼が魔王であったがため、
私は『魔王付の剣士』であるからな。
いくら永遠の忠誠を誓ったとて、本当は
魔王が代わったのであれば新魔王に従うのが筋。
判っている。それぐらい。
だが納得できなかったのだ。

しかし、新魔王の主が他でもないノワール様・・・
となると・・・・・・・・・・。」
サハル
「簡単なことだよ。
君の意の向くまま、好きにしたらいいのでは?
これまで通りご主人様に仕えるのもよし、
『魔王付』にこだわるのであれば、私に仕えるのもよし。
・・・・・だが、答えは決まっているだろう?」
エルセロム
「そりゃ・・・・・・・・・。

エルセロム
「・・・・・・・とは言うものの、やはり掟は掟。
とりあえず『私のご主人様』・・・ノワール様に
指示を仰ごう。

御役御免になったら、その時泣こう・・・。」
ノワール社長
「は? 好きにすればよいだろう?
もともと、俺のあずかり知らぬ世界の話だ。
辞めたければ辞表をだせ。人間の言葉で。
書き方はサハルかルミエールに教えてもらったらいい。」

エルセロム
「では・・・・・・これまで通り、ノワール様に
お仕えさせてください。
しかし、話をするうち、サハルもなんだか惜しくなった。
サハルは堅実で何ごとに対してもフェアで
何よりも私同様ノワール社長に心酔・・・
いや、敬意を示している。」

ノワール社長
「だから、好きにしろと。
ロゼ君コーヒーを!!」
エルセロム
「ご主人様、感謝します!!」

ノワール社長
「そのかわり、サハルのことも頼むぞ。
『命令』だ。」

サハル
「・・・・・で、私の何を頼まれたのでしょうか?」

エルセロム
「さぁ・・・・・・???」
やはり『指導者』はノワール社長らしい。
カノジョいないだろ?
ええ残念ながら
エルセロム
「???貴方は魔王様なのでは???」
サハル
「掟など改定しようではないか。
私は魔王だよ。」

エルセロム
「!!」
エルセロム
「・・・・・・だが!!
魔の者には掟というものがあるのだ。
例外など認められないのでは?」

サハル
「ふるい風習に囚われる必要は
もはやないのでは?」

エルセロム
「しかし・・・。」
ノワール社長
「俺に仕えるなら仕事は山のようにあるぞ。」

エルサレム
(ご主人様は意外にも楽天的であった)
エルセロム
「サハル・・・・は魔王として私も
敬意を持ちたいと思う。
そして、これまで通り、貴方を
ご主人様とお呼びさせていただきます。」

ノワール社用
「それでいいぞ、もう仕事にもどれ!!

サハル!!この書類、大急ぎで先方に届けてくれ。
ルミエール、明日の会合出席者のリストはまだか?
それからアシュトレトの奴は今日も休みか?」

サハル
「暑気あたりだそうです。」
エルセロム
「命令・・・・・(嬉しい♪) 御意!!」