2012/04/12
図書室と君と永遠と

マーロン
「ローマン、どこに行くの?」

ローマン
「図書室。」
マーロン
「・・・・・・・・・・・・。」
マーロン
「ねぇ、ローマン・・・」

ローマン
「何??」

マーロン
「それでなくても一緒にいる時間
少ないんだから・・・」

ローマン
「だから?」


マーロン
「本ばっかり読んでたら、それだけで
あっという間に一生終わっちゃうよ!!
人間の一生なんて短いんだからっ!」


ローマン
「僕は普通に暮らしてるから
深夜徘徊に付き合えないよ。」

マーロン
「じゃなくて〜〜〜」
ローマン
「うーん、確かにねー。
ヴァンパイアな君の永遠に比べたら
人間ってあっという間だよね。

だからこそ、その間に一生懸命
勉強したいんだよね。」

マーロン
「何故??」

ローマン
「何故って・・・・・・・・。」
ローマン
「1度限りの人生だから・・・かな。」

マーロン
「あれー???
人は何度も生まれ変わって
結局は永遠の時を生きてるって
納得してたんじゃないの??」

ローマン
「うん。だから慌てなくてもまた君とも
出会えるんでしょ?」
ローマン
「いっぱい勉強して色んな知識を持って
次に行きたいな〜って思うんだよね。
悔いが残るような『ローマン』のままで終わったら
転生したとき、またやり直しっぽいし。
でもそれ以前に読書と勉強が好きなんだ。
それだけだよ。」

マーロン
「そしたら次に生まれ変わったら、君
天才かもしれないよ??」

ローマン
「本望だよ。」

マーロン
「・・・・・・・・・・・。」
マーロン
「面白くないよ〜〜〜!!
そしたらその時に又出会えたとしても
君はまた一生、本を読み続けて勉強するんだ、絶対!」

ローマン
「そんなことないよ。
天才になって生まれてきたら
苦労しなくてもいろんなアイディアが浮かんできて
どんなフィールドでも活かせる力を持ってるはずでしょ。
さくさく何でも出来た分、今より時間をもてあますよ。」
マーロン
「ううん。君はやっぱり本を読むんだ・・・・・・・。」

ローマン
「・・・・・・・・どうしたの???」

マーロン
「だってずっとそうだったもの。」

ローマン
「何百年も前からの歴代『僕』の話?」

マーロン
「そう。」
マーロン
「僕のことも少しは見てくれてもいいと
思うんだけど。」

ローマン
「君のこと?見てるよ。
僕が見つけた運命のヴァンパイアだもの。」
マーロン
「僕は何百年も君を見てきたから判るんだ・・・。
何度生まれ変わっても『君』は勉強好きで
本の虫で他には見向きもしないんだ。」

ローマン
「そうだろうね〜〜。」

マーロン
「・・・・・・・・・。」
ローマン
「でも君とコイビトだった過去世もあるんでしょ。
僕が『姫』だった時に。(どきどき)」

マーロン
「恋人っていっても身分違いだったし
そもそも僕の正体はヴァンパイアだから
その恋が成就したと思う?」

ローマン
「ラブラブじゃなかったんだ?」

マーロン
「ううん、お互い好きだったよ。
でも状況が許さなかっただけ。」
ローマン
「・・・・・・・・・・・・・・。」

マーロン
「・・・・・・・・・・・・・・。」
ローマン
「え、えっと・・・生まれ変わる昔の僕のことを
僕は知らないのに、君は全部知ってるんだね。
素晴らしいことだよ。」

マーロン
「素晴らしくなんてない。
長く生きてて、その中で君と何度出会っても
いつも別ればかりで、いいことなんてひとつもないよ。」

ローマン
「でも広い世界と長い時間の中で
ちゃんと又出会えてるから奇遇だよ。」

マーロン
「・・・・・・・・・。」
ローマン
「・・・・・・どうしたの?マーロン。」

マーロン
「君と何度出会えてもすぐに
離れ離れになるんだ。

君は常に人間で・・・僕はヴァンパイアだから・・・
ずっと一緒にはいられなかった。

正体がバレることを恐れながら短い時間を
一緒に過ごして、そのうちまた独りになるんだ。」
ローマン
「でも今の僕は、君の正体知ってるよ。
その上で、ちゃんと友達だよ。」

マーロン
「そう、そうなんだ。
何百年も待ってようやく僕を理解してくれる
『君』が現れたんだ。
だから・・・・・・。」
ローマン
「・・・・・・・・・・・・・・。」

マーロン
「・・・・・・・・・・・・・・。」
ローマン
「えっと・・・・・頭、整理させて。
君はこのまま永遠に『マーロン』なんだよね?」

マーロン
「うん・・・・・・この名前は君がつけて
くれたんだけど、僕はずっとこのまま。」
ローマン
「じゃ、今回の生では僕は読書に耽ることにして、
次に僕がとびきり可愛い女の子になって転生したら
その時は恋に落ちよう!約束するよ。」

マーロン
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
マーロン
「ローマン・・・・・・君ってさ・・・・・・。」
マーロン
「もういいよ・・・。
図書室行っておいで!!」

ローマン
「ね、マーロン、
僕と一緒に午後の時間を過ごしたいんだったら、
君が一緒に図書室に来るって選択肢はないの???」

マーロン
「!!」
マーロン
(君じゃなきゃ・・・・ローマンじゃなきゃ・・・・
君が転生して何度出会っても、それは別人なんだ。

又、何百年も待つことになるのかな・・・・。

僕、疲れちゃったよ。
この際、ガブッといっちゃおうかな。

僕は純血種だから君を闇に堕とすことぐらい
簡単にできるんだから。

でも君が望まないなら・・・・・・)


マーロン
「考えたこともなかった。」

ローマン
「お昼寝しててもいいから一緒にいこうよ。
陽があんまり入らないから居心地いいと思うよ。」

マーロン
「うん。」
マーロン
「もう、ローマンったら本ばっかり!!」

ローマン
「だってここ図書室だよ。」

マーロン
「一緒にいてもつまんないよ!」

ローマン
「マーロン、静かにね。」
もー本当に本ばっかりー!
マーロン
「・・・・1度ぐらい・・・・・
望みが叶ってもいいよね。」
ローマン
「あれ?マーロン???」
マーロン
( ・・・・・・・・・・・やっぱりできない・・・。)
くらぁっ・・・
漂流棺桶で見つけたし・・・・
宵宮図書室・・・塔の65階
その後、数時間に及ぶローマンの読書につきあわされて
すっかり退屈したマーロンはお昼寝タイムになりました。
静かな図書室の午後。
がくっ・・・
君夜型、僕朝型
ローマン
「僕を闇に堕とそうなんて考えちゃだめだよ。
今のローマンのまま、時が止まったら
僕、
永遠に本の虫だよ。」

マーロン
「・・・・・・・・たしかに、そうかも・・・・。」