2012/02/20
魔王の剣

ルミエール
「サハルさんって社長の命令には
絶対服従かなぁ?」

アシュトレト公爵
「そうだと思うけど?
君は知っているのだろう?
彼がどうやってやってきたのかを。」
ルミエール
「ええ。(アシュトレトさんと社長が
怪しい相談してる場に僕もいたし、
塔の4階にも立ち会いましたからね。)
魔物でしょ?言わないであげてくださいよね。」

アシュトレト公爵
「言うも言わないも・・・・・・
吹聴してまわったところで
私には何の損得もない。関係ない。」
アシュトレト公爵
「知らない。
どうでもいい。
勝手にすればいい。
完全に他人事だ。
何がサハルだ。永遠だ。くだらない。」

ルミエール
「・・・・・・・・・。
(サハルさんのこと嫌い?)」
ルミエール
「社長が忙しすぎるのを心配してくれてるでしょう?
アシュトレトさん。」

アシュトレト公爵
「(微妙にニュアンスが違うが、完全に
間違ってもいないあたりが悔しい・・・)
・・・・・・・・何故?」

ルミエール
「社長ってこの会社以外の仕事も忙しいから。」

アシュトレト公爵
「魔王のシゴトもあるからね。」

ルミエール
「え?」

アシュトレト公爵
「いや、何でも。・・・・でサハルが何?」
ルミエール
「社長の命令を何でも聞いてくれるのだとしたら、
この状況も緩和できるんじゃないかな、って思って。」

アシュトレト公爵
「社長がヒマを持て余すような状況に
サハルが持っていけるということ?」

ルミエール
「うん・・・そこまで極端じゃなくても、
社長の代わりもできちゃうのかなーなんて。」
アシュトレト公爵
「社長の代わり・・・・・・・・・・。」

ルミエール
「ははは・・・さすがにそれはナイか。
社長がそんな命令はしないよね。」
ルミエール
「・・・・・・・・・・・・・アシュトレトさん?」

アシュトレト公爵
「ちょっと会社によってから帰るよ。」
アシュトレト公爵
「ノワール社長、仕事が忙しくて
大変ではないかい?」

ノワール社長
「???いいや、別に。」
アシュトレト公爵
「いや、大変なはずだ。
余暇が全くないじゃないか。」

ノワール社長
「余暇などいらんが?」

アシュトレト公爵
「このままではあっという間に
一生が終わってしまうぞ。」

ノワール社長
「俺の好き勝手だが。何か?」
アシュトレト公爵
「この会社のみならず店や裏取引やら
一体いくら働いたら気が済むのだ。」

ノワール社長
「仕事は趣味のようなものだ!!何か問題が?
訳の判らんことで時間を取らせるな!
終いに怒るぞ。」



アシュトレト公爵
「あの剣をうっかり触って魔王になってしまったはず。
決して望んだことではないだろう?」

ノワール社長
「ああ・・・・・そうだったな。今思い出した。
だが誰かやらんと困るだろうからやっているが、
アレは辞めてもいいな。俺は人間なのだし。」
ノワール社長
「お前が俺に代わって魔王を
やってくれるのならそれでもいいが?」

アシュトレト公爵
「ダメなんだよ。あの剣には恐くて触れない。
あの時立ち会った他の者も皆そうだったはず。」

ノワール社長
「では俺が命令したらどうだ?
魔王様の命令は絶対ではないか?」

アシュトレト公爵
「勘弁しておくれ。塵になる可能性だってある。
でも・・・・・・・その代わりに・・・・・」

アシュトレト公爵
「そう・・・・・・。
彼にあの剣を鞘から抜かせるのだ。」

ノワール社長
「あの剣はお前やこの城の魔物連中でさえ恐れるほど
キケンなものではないのか?」

アシュトレト公爵
「サハルは『ご主人様』の命令ならば
いともたやすく鞘から抜くことができるはずだ。」
ノワール社長
「確かに魔王のシゴトだけでもアイツに完全に振れば
俺はもう少し時間が取れるようになるな。」

アシュトレト公爵
「そうだよ!!」

ノワール社長
「しかし、あの時、全員で剣に触るのを拒んだよな。
それほど危険なことなのではないのか?」

アシュトレト公爵
「確かに魔王になる資格のない者が抜くと
たちまち霧散してしまうというからね。
私のような上級悪魔でもやはり怖いのだよ。」
ノワール社長
「それをサハルにやらせろと?」

アシュトレト公爵
「彼は大丈夫だよ。私の力で呼び寄せた魔物だ。」

ノワール社長
「そのお前が自分の非力を認めているのでは?」

アシュトレト公爵
「怖いといっているだけだ。
人間界に存在できなくなることが。
やれば出来るが、やらないだけだ。」
ノワール社長
「『人間のような下等動物』の世界に
お前のような人間嫌いでも未練があるのか??」


ノワール社長
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

アシュトレト公爵
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ノワール社長
「(要するにコイツはチェスの相手が欲しいのか)
まぁ・・・サハルに相談してみよう・・・・・・・・・。」

アシュトレト公爵
「相談?命令のほうがいいのでは?」

ノワール社長
「確かにそうだが、パワハラはよくない。」
ノワール社長
「・・・・・・・・そう思わないか?」

アシュトレト公爵
「・・・・・・・・人間は甘いねぇ・・・・・。」
アシュトレト公爵
「サハルに命じたらどうだろう?」

ノワール社長
「サハルに?」

俺の椅子に座るな!
アシュトレト公爵
「・・・・・・『魔王』も趣味なのか?!」

ノワール社長
「・・・・・・・・・・・?????」
何なら今あの剣もってくるぞ
文字通り悪魔だな!!
アシュトレト公爵
「ああ・・・・・
魔界には君のようなチェスの強い相手が
いないからね。」
オマエも命令されたら
イヤなんだろうが?